二度目のテニミュ ―3rd VS六角 感想

一年ぶりにテニミュに招待してもらったので、テニミュVS六角を観てきました。
まるで関係者みたいな言い方をしてしまいましたが、全然そんなんじゃないです。
テニミュへの誘いをありがとう!!自分でテニミュのチケットを取ったことすらないのに、いきなりテニミュサポーターズクラブの会員登録を皆からすすめられて怖かったです(笑)


2017/1/22(名古屋公演) マチネ


ネタバレあります と一応表記しておきます。
全然見当違いなことばかり言っているかもしれないけど、テニミュ素人がテニミュを観た感想ってことで許してください。



【前提条件】
テニミュ観劇2回目です。初心者以下。
・前回観た公演はVS山吹 名古屋公演。
・原作を読んでいる途中なのですが、今回 原作のまだ読んでいない部分を先にテニミュで観てしまいました(本当すみません)



一年前に初めてテニミュを観劇して、テニミュが13年間追究し続けてきた
長い人生においてはほんのわずかな少年時代をテニスに捧げる少年たちが放つ輝き の表現の数々、演出に圧倒され魅了されてしまった私。

3年同じことをしたらその者はその仕事においてのプロといえる と言いますが。
13年間という年月をかけて しかもおそらく年々「より良い演出を」という熱意をもってしてテニミュはキラキラまばゆい輝きとパワーあふれる演出を追究してきたはずであるので、テニミュは青春の輝きを描くプロ中のプロ だと思っております。

そんな 「青春の輝きを描くプロ」が表現する、中学生男子たちが全力で駆け抜けてテニスと向き合う様を描くエンタメをまたしても観たくなった私は、テニミュの先輩たちの力をたくさん借りて再びテニミュ観劇を果たしたのでした!



私が追いかけているミュージカル「忍たま乱太郎」の最新作、第八弾初演は
未熟なかわいい遊びたい盛りふざけっこしたい盛りの五年生(中学二年生に相当)の男の子たちが覚悟を決めて勝利を掴むまでを描いた物語を描いた作品なのだけど、「五年生が成長を見せるストーリーと、若いキャストが公演を重ねていくにつれて役者として成長していく様をリンクさせていきたい」と演出担当の菅野さんがおっしゃっていて

テニミュが提供するものの一つである「最初はパフォーマンスがたどたどしくて不安定な若手俳優が、公演を重ねるにつれて表現者として成長していき舞台自体も成長してゆく過程を見せる」という要素を忍ミュも取り入れようとしている!?と聞いて個人的にビックリしたので、それを発明したテニミュと比べてみようではないか……というのが今回のテニミュ観劇のもう一つのねらいでありました。
忍ミュも最新作ではこういう動きがあったんですよ、というのをちょっと伝えたかったのでここで書いてみました。




ちょうど一年前に観たVS山吹の名古屋公演と同じ会場での観劇でした。
前回は通路挟んだ後方の席を用意して貰ったのだけど、今回はステージ上のキャストの表情までもが見える前方の席を用意してもらって嬉しい驚き!!
前回とは違うテニミュ体験ができました。

初めて体験した前方(何列目くらいから"前方席"って言うんだろ?)の席のテニミュ
走り、駆け抜け、跳び、両の足をしっかり地につけて立ち、全力でラケットを振り、歌う キャストが舞台上で全力でパフォーマンスをするその熱意と 何よりもひとが「生きている」という実感がありありと伝わってくる!!
目の前で試合を繰り広げ、全力で駆けてゆく少年たちのドクドクと力強い心臓の鼓動が 聞こえなくとも鳴っているのだという「実感」がするのです。
これはテニミュにすっかり魅了されてしまう人が後を絶たないはずだ……!!




佐橋さんが手掛けるテニミュソングでこれでもか!!というくらいに緊張感のある場を盛り上げていくテニミュの演出がニワカなりに好きです。
テニミュは歌のシーンで「このシーンは盛り上げよう」と決めたら、ホントに躊躇わずに これでもかというくらいにシーンを盛り上げる要素を盛りに盛っていくなー!!天井知らず。
リョーマくんたちにとってのテニスの試合は神聖な儀式にも近いものであると音楽は語り、叫ぶ。テニミュを宗教と表現する人もいたようないなかったようなですが、神聖な領域にまで観る者の気持ちを高めてくれるという意味ではその表現は間違っていないと思います。
「やりすぎ」という言葉が頭をよぎった私を許してください。
この「感動を与えるためならためらわない」感動を与えるためにはどうすれば良いか、をどこまでも追究してきたからこそテニミュはたくさんの人の心を奪っているのだと改めて感じました。

私はキャストの皆が声をあわせて歌う 合唱曲のような曲の演出が大好きです。
今回の公演だと菊丸・不二ペアのダブルスの曲のときのアレです、アレ。
試合中に限る盛り上がりのピークをどこに設定するのか という基準をまだ全然掴めていないのですが、この試合の時点でかなりピークを迎えていた!


キャストさんたちも代替わりしたばかりとのことで、ぶっちゃけ……「歌、下手かよっ!」ってひともちらほら見えたのだけど(笑)、それを払拭させる圧倒的な音楽のパワーで感情を"興奮状態"に上書きしてしまう。


「場を盛り上げるためには躊躇しない」は曲の歌詞に関しても言えます。
少年たちががむしゃらに突き進んでいくさまを演出する方法としてのことばの演出 も、キラキラ少年コンテンツを楽しむためには注目せざるを得ません。

と、言う割に全然記憶がないのだけど……今回 歌を聞いていて「おお~!!?」と思った 歌詞のワードは「躍進」、「推進力」、強大な対戦相手に勝つためには という意味で使われた「突破口」
OPの歌で「燃える命」という言葉が聞こえてドキッとしました。スポーツもの作品で命という言葉が出てくるのか……!?

どんなものでもあるとは思うのですが、歌詞やセリフを言葉の装飾で作風ををつくりあげるという演出というものが存在 します(言い切ってしまった)
手塚部長が「崇高な志」とテニミュで言えば、テニミュそのものももう崇高な何かになります。
言葉の選び方で作風は決まります。

自分を高めて自分を越えるために、辛く厳しい鍛練に堪えこなしていく覚悟と どんな逆境が訪れても立ち向かっていく覚悟を「勇気」と表現していたのが大好きだ!
スポーツもの作品で「勇気」という言葉を使うのがとても新鮮でハッとした。
普段スポーツもの作品にぜんぜん触れないからわかっていないのだけど、実は案外よく使われる表現なのかな?
でも「勇気」という表現は、私が大好きな「勇気vs意地」もそうだし原作にある表現だから、どちらかというと許斐先生のセンスなのかな?




テニミュ、もしかして大道具の使い回しが多い? 複数公演を見たことで初めてちょっと気が付いた!
でも、学園のグラウンドの背景や休憩ベンチなんかの大道具を一個登場させることでシーンを表現できるから強い。

日常の学園のシーンは立体的な大道具もあったのに、なんだか2D的な画面。画面に高さもない。
それが、試合が始まると舞台上に立体的なベンチとテニスコートが登場して 一気に高さと奥行がある3Dの画面へと変化した!!
場面転換して横からスゥーッとベンチが入ってきた瞬間に舞台の印象がガラッと変わったから、視覚のマジックをその場で体感した。


試合のシーンでいちばん注目すべきメインはもちろんテニスコートで試合をする選手たちなのだけど、試合のシーンでは舞台のいちばん高い場所にあるものはベンチとベンチで応援する選手たちだったから
舞台を見たときに無意識で目がいきやすいのはベンチで応援するメンバーなんだけど、いいのかな!?とちょっと思ったり、しました(笑)
でもテニスの試合を見守るとなると、ベンチからテニスコートで試合をする選手たちを見下ろすからこれでいいのかな。



で、ここから今回の公演の話になるのですが
だからこそ、天井まである大きなカーテンに舞台の上手側下手側に置かれた一対の鏡、そしてバレエバー……と、いきなり舞台のスペースをどでかく使った あの公演の数あるシーンの中でも特に目がいくあのシーンが入る意味とはなにか……純粋に気になる……w
目の前にいきなりバッとあのシーンのあの景色が現れるので、インパクトが凄い。
跡部がここまで讃えられるシーンがあるのには何か理由があるのかな?再び戦う時にはそれほどまでに強くなって現れるのかな……くらいしか予想ができなかった。


氷帝のメンツが暗い舞台上を駆け抜けていく演出、暗闇から急に走っている人が現れるし、通路から駆けてきて舞台にのぼって合流するのも ステージから360°を使っていて どこから人が駆けてきてどこへ行くのかわからない心情風景のような何か不思議な感覚になる演出でとても好き。

からの氷帝の「次は勝ってやる!」の歌、青学並にキラキラまばゆくて綺麗だったのが意外で驚いてしまった。
テニミュは青学が勝利を掴んでゆく過程を描いた物語を描くものだと思っていたから、認識が変わってしまった。テニミュは信念とまた違う信念のぶつかりあいが描かれているんだな。




リョーマくんが立海の赤也くんのプレッシャーに後ずさりしてしまうシーンが、剣太郎のプレッシャーに打ち勝とうとする海堂にリンクして本筋に戻ってきたここの流れが好き!


テニミュのライティング、澄んでいて視界がクリアに見える太陽の光の照明がいちばん好き。
でも、見ていたら意外とこの照明が使われる場面は少なかった。いちばんよく使われていたのは少し暗めな照明。





観るたびに もっともっとハートに稲妻が走るようなすんごい演出で魅了されたい!!と思うのがテニミュ……もっともっとすごいものが見れそう と期待してしまうのです!!
次回もまた観に行きたい!